解説 作品「Dialogue」は、鏡面 に磨かれたステンレス板に写真乳剤を塗布したものを印画紙とし、それに主に4×5フィルムによって撮影された写 像をプリントしたものです。被写体は特定の場所における明暗の作り出す「形」であり、鏡面 にプリントされると乳剤に表現される「明」は透明であるので支持体自体を浮び上がらせ、「暗」は黒くなり支持体を閉込めます。支持体が鏡面 であるので、「明」の部分は対面する空間が写し出され、重厚なステンレス板の存在は稀薄になり、虚像と実像の掛橋としてプリントされた写 像が存在するでしょう。 |