覗き式カメラ・オブスクラ

身近な素材でつくる、覗き式カメラ・オブスクラ

キルキャーの暗箱
アタナシウス・キルキャーの野外組立式カメラ・オブスクラ


映像の原点を体験しよう!

映像の原点といえるカメラオブスクラの原理。とても簡単に作ることができますし、とても美しい現象を体験できます。


カメラ・オブスクラから写真へ

【絵を描く道具としてのカメラ・オブスクラ】
 壁の小穴から暗い部屋に差し込む光が、反対側の内壁に外界の風景を写し出す。いわゆるピンホール(針穴)による光学現象は、すでにギリシア時代から知られていた。数々の科学者がこうした現象から光学の法則を発見し、視覚装置を発明していく。
 ピンホールの原理を応用したカメラ・オブスキャラ(ラテン語で“暗い部屋”という意味)が今日の写真機を生み出すものとなったのである。
 初期は、小穴を通して写った倒立像をそのままなぞって模写する“絵を描く道具”として、また太陽の観測装置として用いられた。
 ハンス・ホルバインやフェルメールといった画家たちも、こうした透過装置を使って自然を模写していった。写真の始祖とされるタルボットやダゲールも、もともと画家で、カメラ・オブスキャラを使って素描していくなかで、今日の写真機への道を開いていったのである。
 1830年代にはカメラ・オブスキャラが映す像を定着させる試みが次々に発見される。タルボットは1835年に塩化銀紙の定着に成功、1839年にはタルボット方式(カロタイプ)による印画紙とカメラを販売。1837年、ダゲールがダゲレオタイプ(銀板写真)を完成させる。新しい視覚芸術としての写真は瞬く間に広まり、実用化された。


用意するもの

段ボール箱(約30×15×15cm)
黒ガムテープ(布テープ)
アルミ缶
トレーシングペーパー
セロハンテープ
カッター
はさみ
画鋲、針


1、手頃な段ボール箱を用意します。持ち手など付いていないもの。長辺30cm、短辺15cm、高さ15cm程度のもが良いです。
図のように片面を組み立てる。上面は開けておく。
2、トレーシングペーパーを短辺×高さ(15×15cm)に切ります。

3、スクリーンの製作。切ったトレーシングペーパーをセロハンテープで箱の中にとめます。(ピンホールを取り付ける面から約10cm程度の位置に)この距離をピンホールに近づけるほど広角になり、遠ざけるほど望遠になります。ただし、遠ざけると像が暗くなります。

4、トレーシングペーパーをとめた箱を組み立て、組み立て部分は、黒ガムテープで二重にとめる。(光が入ってこないように遮光する。)
5、図のようにピンホールを取り付ける面に、カッターで3cm角の穴を開ける。
6、ピンホールの準備。アルミ缶の側面をはさみ(カッター)で5cm角に切り取る(手を切らないように注意して!)。
切り取ったアルミ板の中心部分に画鋲で小さな穴を開ける。穴の大きさは1mm〜3mm程度。
※穴が小さいと写像は、暗くなり鮮明になる。
※穴が多きいと写像は、明るくなりぼける。
7、[6]で作ったピンホールを[5]で開けた穴の部分に、黒ガムテープで取り付ける(二重に)。
8、ピンホール面と逆の面に、カッターで覗き穴を開ける。
9、完成。明るい場所で覗き穴からスクリーンを見てみよう。

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