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Diagram/モデル図

解説

 作品「Alef」は、群馬県桐生市にある旧森山芳平織物工場敷地内の温室での、カメラオブスキュラのよるインスタレーションです。  その温室は南庭の半地下に作られ、中には植物を置く棚が地面の位置に配置されています。以前はこの温室で様々な草花が育てられ、咲かない花も咲くことが出来たそうです。しかし現在は主人を失い、どこにでも見受けられる植物が、我が物顔に温室内を支配しています。  この光り溢れる温室内から雑草を取り除き清掃し、ガラスの内壁を黒い板で遮光して、全く光の入らない暗室にしました。その板に針穴を開け、直径15cmの硝子球を取付けました。合計17個配置された硝子球には、ピンホールの原理により穴の外の風景が写 像として鮮明に写し出されます。  鑑賞者は階段を2段降りて温室の扉を開け入室します、その中は暗闇のため最初は何も見て取れませんが、しだいに目が闇に慣れてくると、うっすらと硝子球に写 し出される写像が見えてきます。目が慣れれるほどに写像は色付き、やがてその光りで我身や室内も照らされてきます。